本日の読書:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『聖なる島々へ』

 どちらかというと、2より1のほうが話の筋が1本な分、まとまっていて読みやすく、かつ読みごたえもある。2は主人公格が3人(2組)いるので、領主の孫姉弟の側の描写と、庶民の少年の側の描写の2つを平行して続けなければならない。その分記述が薄くなりがちになっている――はずなのだが、決して薄いと感じさせないところがダイアナ・ウィン・ジョーンズの卓抜なところなのかもしれないけど、やはり領主の孫2人のほうは、周辺も含めて描き足りないと思う。
 もっとも、ダイアナ・ウィン・ジョーンズならではの「魔法」の力の発現は、この物語でも伏線を含めてしっかり描きこまれており、さらに言えばそれが1とはまったく異なる形であるところなどは、読ませてくれると言えよう。
 3の『呪文の織り手』はまだ買ってません。