2004年の3冊:フィクション篇
昨日の続き。(id:june_t:20041226#p5)
うーん、あんまりこれといってない。というと怒られそうですが。そんなにいろいろ読んでないのです。
いちおう、「今年読んだ本」として、
- 中山可穂、『サグラダ・ファミリア』、新潮文庫、2001年。
をあげておきます。少し前の本ですが。
あとは、「マリみて」とか(こらこら)……『エンジェル・ハウリング』(ぉぃぉぃ)とか……「ブラックキャット」(by 新井素子)最終巻の『チェック・メイト』(どかっ★)*1……『ダーティp(ばきっ☆)
……まじめに返って。
でも、
- マーセデス・ラッキー、『女王の矢』(上・下)、現代教養文庫、1990-91年。
というわけにもいきませんしねえ。こんなの、今からじゃ誰も手に入らないでしょう。出版社(社会思想社)倒産につき、絶版。*2まあ、10年か20年ぐらいしたら創元推理文庫で出そうだけど。あるいは電子出版か。今創元で出ている「ヴァルデマール年代記」というシリーズものの1冊なんですが。「戦う女性」が主人公をはる、一連のハイ・ファンタジー。さりげなく(でもないか)セクシュアリティのさまざまな問題も描きこまれています。性教育の話や、避妊や性暴力、同性愛関係など。
あと、あえてあげるなら、
- ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、『呪文の織り手』、創元推理文庫、2004年。
かなあ。主人公の女性は、『ハウル』のソフィーみたいに、織物を織る(ソフィーは帽子作りだけど)という行為で、魔法をかける。特に、織物を作るというのは昔から女性の仕事とされているもので、日用的なそういった工芸品はもっと「芸術作品」としての価値*3も認められていいはず。物語の中では「魔法の力」を織物に与え、それによって作品と作り手への評価を高めるという、もちろんどこまで意図されているかは分からないけど、そういった意味もあるでしょう。
……なんていいながら、ちゃっかりファンタジーを入れながら3冊並べてるところが。(笑)