2004年の3冊:フィクション篇

 昨日の続き。(id:june_t:20041226#p5)
 うーん、あんまりこれといってない。というと怒られそうですが。そんなにいろいろ読んでないのです。
 いちおう、「今年読んだ本」として、

をあげておきます。少し前の本ですが。
 あとは、「マリみて」とか(こらこら)……『エンジェル・ハウリング』(ぉぃぉぃ)とか……「ブラックキャット」(by 新井素子)最終巻の『チェック・メイト』(どかっ★)*1……『ダーティp(ばきっ☆)
 ……まじめに返って。
 でも、

というわけにもいきませんしねえ。こんなの、今からじゃ誰も手に入らないでしょう。出版社(社会思想社)倒産につき、絶版。*2まあ、10年か20年ぐらいしたら創元推理文庫で出そうだけど。あるいは電子出版か。今創元で出ている「ヴァルデマール年代記」というシリーズものの1冊なんですが。「戦う女性」が主人公をはる、一連のハイ・ファンタジー。さりげなく(でもないか)セクシュアリティのさまざまな問題も描きこまれています。性教育の話や、避妊や性暴力、同性愛関係など。

 あと、あえてあげるなら、

かなあ。主人公の女性は、『ハウル』のソフィーみたいに、織物を織る(ソフィーは帽子作りだけど)という行為で、魔法をかける。特に、織物を作るというのは昔から女性の仕事とされているもので、日用的なそういった工芸品はもっと「芸術作品」としての価値*3も認められていいはず。物語の中では「魔法の力」を織物に与え、それによって作品と作り手への評価を高めるという、もちろんどこまで意図されているかは分からないけど、そういった意味もあるでしょう。

 ……なんていいながら、ちゃっかりファンタジーを入れながら3冊並べてるところが。(笑)

*1:このシリーズのキャットと千秋もなんだか百合っぽいです。

*2:出版当時、まさか社会思想社が倒産するとかなんて思いもよらなかったので、「あとでまた買えばいいや」とスルーしたのが運のつき。例によって、同僚の鈴木めぐみさんに借りています。借りっぱなし。彼女がスイスにいる間はわたしのものよ。筆写でもするか。

*3:もちろん、「芸術」とはなんなのか、という定義をめぐるポリティクスがそこにかかわってくるわけですが。