今日のこと

 今日は10時に二本松、という仕事があったので、7時に起床。荷物が重いので7時56分のバスで駅まで。少し電車まで時間があるので、ドトールで軽食。
 電車の時間は8時38分である。これで二本松へ着くと9時1分なのだが、この次の電車だと二本松着が10時になるので、時間のロスは承知でこう動かざるを得ない。
 今日は福島県男女共生センターが主催する「男女共同参画基礎講座」というものの講師を務めた。二本松の男女共生センター(別称「女と男の未来館」)はまだ歴史が浅く、ようやくこの18日で開館4周年。思えば、1年目の最初の基礎講座の最初の講師もわたしが務めた。なぜだかトップバッター役が多い。たかはしです。
 電車の中で、向かいに座っている男性がどうもアヤシい(不審という意味ではない)と思っていたら、やはりその通りで、わたしに引き続いて午後に話をするもう一人の講師の方だった。わたしは初対面だが、仙台のNPOで活動していらっしゃる小浜さん。アヤシかったので声をかけようかと思っていたのだが、乗り越し清算(途中までは定期券を持っているので切符を買っていない)しているあいだにタクシーに乗ってしまわれたので、すぐあとを車で追う形になってしまった。
 さて10時からの講演だが、トップバッターは、参加者同士のコミュニケーションを円滑にするのも役目だよね、と口実を作って、まず講座参加者全員に自己紹介をしてもらう。前回はここで40分ぐらいかかったような記憶があるが、今回はみなさんさくさくとマイクを回してくださって、20分ぐらいであった。人数もそれほど多くなかったし。でもまあしゃべる時間は少し減った。
 ところで、センターのほうから今回はお題が出ていて、それが「人権について」。わたしは法律などを専門にはしていないので、正直困ったのだが、まあフランス革命以来の人権の歴史についてざっと触れながら、いかに「人権」が最初は「人間の権利」ではなく、「男の(中産階級の、白人の、成人の、異性愛者の)権利」だったかを半分ぐらいの時間を取って話した。オランプ・ド・グージュとかアメリカの奴隷解放運動の中の女性とか。あとは、北京会議以降の新しい流れ(「女性の権利は人権である」など)についてふれながら、県の政策で取り上げられている女性に対する暴力とリプロの話をちょこちょこと。
 ところで、なぜか福島県はリプロの「性と生殖」の「性」の部分を政策から落としたいらしく、数年前男女共同参画プランの制定のプロセスでこれをはずそうとしてきたのだが、審議会でさんざん抵抗してなんとか残したという経緯もある。(あれ、議事録って公開されていないんだっけ? まあいいや。)実際の施策でも、「性」に関してはほとんど計画がない。1年目、2年目は、まあこれからとか思っていてスルーしていたが、さすがにそろそろまずかろう。なおリプロのセクションで、全く何もしていないわけではなくて、実施されていることもある。それが、赤川さんの本へのコメントにも関わってくるのだが、「子育て支援」ということで行なわれている、高校生向けの少子化に関する副読本の配布や、「ふれあい事業」(高校生男女が保育所などで子どもと接する機会を作る)などなのである。まあそれはそれとしてけっこうなことなのかもしれないが、どういうつもりで「人権」とか「リプロ」とかの枠で、「それだけ」(ここが重要)やっているのか今度説明をぜひ聞かせてもらいたいと思う。*1
 脇道にそれたが、要はこの領域の施策はまだ何も決まっていないということである。その話をした上で、「何にも決まってない、だめじゃないか、ではなくて、ポジティブに考えましょう。」と言って、市民が参加しての政策立案や自主事業などができるのではないか、という提案をしておいた。午後は小浜さんがセクシュアリティのワークショップをされるそうなので、話をつなげるためということもある。
 ただ、東北はまだまだ性の問題に関しては消極的なところがある、という気がする。性教育も、高校3年間で1回だけ、という話も聞く。いろいろ書きたいことはあるが、長くなるので簡単にしておくけど、個人が消極的なのはともかくとして、施策まで消極的ではまずいのではないだろうか。特にSTD感染の増加は、かなり若年層で深刻なところがある。さらに、かなり一方的に女性の側に原因を求める言説も流通していた。何もされていない状態なので基本的なところから積み上げていく必要があるが、とにかくすることはいっぱいあるよな、と改めて自分自身が認識することができたような気がする。
 お昼を食べて大学に戻ると、もう2時近い。事務仕事をしていたら、あっという間に4時。今日は6限が総合科目、そのあと東京。また雪が舞い始めた。

*1:と、ここまで書いて席を立ったのだが、『福島民友』に、なんだか十代の子どもを持つ親向けの社会教育セミナーで「十代の子どもを支え育むピュアプラン」というのをやっている、という記事が出ていた。教育庁の管轄らしいが、何をしているのだろう。「ぴゅあ?」って思わずセーラームーンのアルテミスのような声をあげてしまった。って、アニメ版のほうです。