卒論提出締め切り日

 今日1月31日(末日)は、毎年の卒論提出締め切り日である。
 そんなに毎年ではないが、ときおりドラマがある。ある年には朝いきなり電話でたたき起こされて、「印刷してたんだけど、プリンタがおかしい、どうしましょう」という悲鳴のような声が受話器から聞こえてきた。「とにかく今プリントアウトされてるところまでと、ファイルをフロッピーに入れて、大学まで来い」と命じて自分も大学へ急いだはいいものの、あ、パソじゃなくてワープロ専用機のフロッピーなのね、ということであたふたした覚えもある。どうしても書けません、と当日暗い顔をして研究室にやってきた学生に、ここには書けないようなことをさせたこともある。(いや、最終的にはちゃんとみんな形にしてますから。)
 そういえば、どうしても卒業したくないので、卒論を落としたことにしてくれ、と言われたこともあった。その時は「じゃあてきとーに出しといて」と言ったら、白紙をつづって出してきた(たしか)。当然不可をつけたが、あとで親から電話がかかってきた。「どうしてうちの子は卒業できないのか。」と訊かれ、「卒論が不出来だったからです。*1あれでは卒業させられません。」と悪者役を務めた。さぞかし親御さんは憤慨なさっただろうと思う。よく「お前の指導が悪いせいだ。責任取れ。」と言われなかったものだ。
 今年は、事前に2人(しかも当初はいちばん危惧していた2人)まではOKを出していたし、1人は1月はじめの時点で半分以上書けていたので、まあ大丈夫かなという感じだったのだが、1人だけは音沙汰がないので(演習の単位は昨年度に取得しているので、ゼミには出る必要がない。さらには生活費を稼ぐので手一杯のようらしく、大学へ来る暇があまりない)どうすんべと思っていたら、さっき事務に行ったら、全員提出した印がついていたので一安心した。その学生も内容については夏ぐらいにチェックしていたので、あとはきちんと書くだけだったのだが。
 まあ約1名、わたしにもわからないところで、なにか「ドラマ」があったらしい。なんだかへろへろなメールが朝来ていたが、さっき研究室に「出しました」と言いに来た。「まあとにかくよかった。今日は帰って寝ろ。」と指示して帰す。つくづく大学教員もカウンセラーの訓練が必要だと感じた。
 今年のゼミ生の卒論のテーマについてはまた後ほど。2月20日あたりに卒論報告会と追いコン(3年生は自分の卒論テーマの大枠の申告)があるので、その時にでも。

*1:たしかに白紙なんだから、これ以上の不出来はない。