TIMSS2003

 TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)の2003年調査について調べていました。

 うっかりIEA(国際教育到達度評価学会)について直接検索しようとしたら、国際エネルギー機関とか経済分析研究所とか「フィリピンでの就職、転職ならIEA*1です」とか出てきて困りました。(笑)
 もともとは、下の本を読んでいてこの調査が出てきたので、最新の情報がほしくて探したんですけどね。

理科離れしているのは誰か―全国中学生調査のジェンダー分析

理科離れしているのは誰か―全国中学生調査のジェンダー分析

 ところで文部科学省のサマリーでは、ジェンダー差についての情報が得られませんでした。しょうがないのでTIMSS2003の報告書をダウンロード。
 2003年調査では、日本の場合、小学校4年生の段階では男の子と女の子の理科の到達度に統計的に有意な差はないけど、中学2年生の段階では男の子のほうが理科の成績がよいということになっています。差は9ポイントですから、偏差値にして0.9ということでしょう。(データは平均点500点、標準偏差100点に補正してあります。)
 ちなみに前回調査では、男女差は6ポイントで統計的な有意差はなかったようで。
 ついでにOECDの調査PISA2003についても調べてみました。

 こちらには男女差についての言及があったので、報告書本体を読まなくて助かりました。
 「科学的リテラシー」は日本は1位、男子の平均は550点、女子は546点。この結果に統計的な有意差はありません。なお、前回2000年の調査では、女子の得点は男子より高かったのですが、このときも統計的に有意な差ではなかったようです。
 なお、PISAの「科学的リテラシー」とは、「自然界及び人間の活動によって起こる自然界の変化について理解し、意思決定するために、科学的知識を使用し、課題を明確にし、証拠に基づく結論を導き出す能力」のことで、単純に学校での教科学習の到達度を評価するものではありません。

*1:International Employment Agency、「国際職業紹介所」とでも訳すんでしょうか。