うっかり読み始めてしまったニート

「ニート」って言うな! (光文社新書)

「ニート」って言うな! (光文社新書)

 まだ前の本も読み終わらないのに、うっかり読み始めてしまった。みんなはてなーなのがすごい。(すごいってなにが。)
 とりあえず本田さんが担当した第1章だけ読了。現在「ニート」と呼ばれている層は、実はいくつかのそれぞれに異なった特質を持つ集団からなっていて、一括して取り扱ったり、対応を考えたりするのは不適切、とのこと。そのうちもっとも現在の「ニート」イメージを支配しているのは彼女が「不活発層」と呼ぶ集団で、本田さんはこの人びとに対してはさまざまなミクロな対応があり得る、という内容のことのみを述べ、議論を「不安定層」と彼女が呼ぶ集団へ移す。そのあとで展開される議論は、教育政策・社会政策的な議論。一気に実現するのは困難かも知れないが、説得力はある。
 ただ提案されている内容は、大学がいま進みつつある方向とはかなり違う。現在「キャリア教育」という名で学生に働くことへの動機付けや一般的知識をあたえるような対策が、私立大でも国公立大でも進行しつつある。場合によっては教員の定員を割いて、専門で担当する人員を配置したりもする。専門学校と提携して、学内で「ダブルスクール」させたりもする。こうした手厚い就職支援活動をウリにして、「大学全入時代」になるべく多くの受験生を引きつけ、学生定員を確保しようともしているわけだ。これは完全に「学校経由の就職」の強化なわけだが、ここから離脱するのはいろんな理由でかなり勇気がいることかも知れない。
 てなことを考えた。第2章を読む気になるのはいつか。今日はもう寝ます。