矢澤修次郎教授退職記念パーティ

 京王プラザ(多摩)で14時から、矢澤修次郎教授の退職記念パーティに参加。
 津田・法政・一橋の大学院生・卒業生40人近くが集まった。現院生と研究職についている人間を中心に記念論文集(『地球情報社会と社会運動』ハーベスト社)を作ったので、その出版記念ということもある。
 正直なところわたしが書いた文章などは数あわせで、どうでもいいものだが、小澤浩明さん(中京大学)のブルデュー論や新原道信・伊藤守両御大の原稿などは楽しみである。もっとも、440ページ、5,250円(税込み)という大部なものになったのは少し誤算。
 挨拶のときは言葉につまった。「お疲れさまでした」とか「これからもお元気で」という決まり文句がこれほど似合わない師匠も困りものである。わたしより元気で、全然疲れていない。まあてきとーにごまかしたが。
 二次会、三次会では、個別に旧友たちと話し込んだ。地方旧国立大勤務の数人では、先行きの暗さを自慢(?)しあったり。数学が零点で経済学研究科の試験に合格できる、昨今の大学院事情とか……。
 やっぱり心に残ったのは、中央大の新原さんにうかがったメルッチの話か。人当たりのいいメルッチだが、いったんそのふところに入ると毒舌にへきえきしたとか。膨大な草稿とメモ、インタビュー調査のアーカイブが残っているのだが、どうこれから整理するか。わたしがメルッチのインタビューを訳したときも、彼の仕事の全貌が見えなくて、話の内容がどういう文脈に位置づけられるのか悩みながら字句を置き換えていったところがあるのだが、今でも彼の思想はわたしには大いなる謎である。こうした大量の資料が整理されて、日本でも紹介されれば少しは状況は変わるのだろうが、長い時間がかかるのだろうと思う。