『栄光への飛翔』読了

 久々のSF本。

栄光への飛翔 (ハヤカワ文庫SF)

栄光への飛翔 (ハヤカワ文庫SF)

 読み終わって、アンドレノートンの「太陽の女王号」シリーズを思い出した。

 といっても、「似ている」ということではない。「太陽の女王号」シリーズは、開拓時代のアメリカを思わせるような、未知の惑星(ただし先史文明の遺跡などもあり)や未知の生命体との遭遇などが主要なテーマであり、辺境に出向き、そこで未知なるものに出会うという、古き良きSF感に満ちている。主人公は少年。
 他方、エリザベス・ムーンのこのシリーズの世界では、すでに社会システムが確立しており、その中で主人公がどう生きていくかというきわめて現代的なテーマ設定がなされている。なにせ傭兵隊も、まるで企業のような一面をそなえた組織として描かれていたりする。そして主人公は若い女性。
 むしろこのようにまるっきり正反対のものであることが、読後にすぐ連想したことの理由なのだろう。