続き・シービンガー新刊

 単語登録してなかったので、「シービンガー」をATOKの辞書に追加。そういえば、「ロンダ」も変換されない。でも「ロンダリング」は出る。

植物と帝国―抹殺された中絶薬とジェンダー

植物と帝国―抹殺された中絶薬とジェンダー

 引き続き読書中。第1章。固有名詞が多くて大変。
 17世紀に植民地で植物や昆虫をあさっていた連中が、ヨーロッパのほかの国の出身者に対しては、一種の「戦争」状態にあるので何をやってもいいと思っていながら、現地でその植物・昆虫を使って何かしている人たちに対しては「不正行為を避けようと努めた」というところがおもしろい。(p.66)もちろん植民地の自然を収奪しているという点では皆一緒だが。
 あと、バレの話。

 なぜ男装だったのか。女性が敢えて入ろうとはしない領域に足を踏み入れようとするとき、女性たちはよく男性の衣装を身につけた。たとえばアン・ボニーやメアリ・リードは、一七一〇年代に西インド諸島で男装の海賊として生きていた。他にも軍隊に加わるためとか、自ら選んだ女性と結婚するためとか、あるいは科学や医学のさまざまな領域に入るために男装した女性たちがいた。(中略)一八一二年に医学の学位を授与された後、「ジェイムズ」・バリーは英国陸軍に入り、植民地軍の中で第二級位に格づけられた医務官となった。彼女の真の性別は、死ぬまで気づかれなかった。
(p.73)

 ジャンヌ・バレ*1博物学者フィリベール・コメルソンの付き人として、男装してブーガンヴィル(彼の名前を取った花に「ブーゲンビリア」がある)の周航に同行していた。この旅で彼女は植物を収集し、標本を作り、昆虫や貝を採集した。
 航海中、船員たちには男性として遇されていたみたいだけど、現地で女性だとバレてしまったみたい。

*1:Barret、またはBaretとつづる。似た名前でMichele Barrettとかいるけど、彼女は「バレット」。