お買い物

四方を統べる神―ドラル国戦史〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

四方を統べる神―ドラル国戦史〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

 エディングス夫妻のファンタジー新シリーズ第1巻(全8巻の予定)。妻のリー・エディングスがこの春亡くなったそうなので、共作としては最後のものになる。
 以前さらっと立ち読みしたとき、わりと大まかな印象(全世界の設定があってそれをストーリーにそって描写していくというような感じ)があったんだけど、どうだろう。

■読了

 「大まか」というか、非常に人間味豊かな神々と夢見人たちが、人間の世界にあれこれと干渉することや、長弓(人名)などの、高度な技能や能力を物語の最初から備えた人物が活躍する場面が多いことが、どうも物語を一本調子にしている感がある。
 彼/彼女らはそれぞれに魅力的だ。「小悪魔」ぶりを随所で発揮するエレリアを筆頭として。(まるっきり「生まれた直後のアフラエル」だが。)しかし、なにもかもが、あまりにも「うまくいきすぎる」のである。
 まあ、それがエディングスらしさではあるが。わかりやすいし、安心して読んでいくことができる、というところが。