『はじめての言語学』

はじめての言語学 (講談社現代新書)

はじめての言語学 (講談社現代新書)

 パラパラする。→読了。

(その回の講義の内容をふまえて、言語現象についての意見を学生に書いてもらうと)学生によっては新しい知識、コンセプトをもとにいままで経験したことを再検証しようとする。これは授業が効果的であったことを示す。だが全員がそうとは限らない。逆に、いままで持っていたイメージが否定されることに非常な不快感、抵抗感を示し、言語学の考え方に敢えて挑戦しようとするのである。それが納得のいくものだったら素晴らしいのだが、多くは感情論であり、悔しさをぶつけているのにすぎない。うーむ。(pp.27-28)

 最後の「うーむ。」がヨカタ。というのはともかく、これはわたしの講義でもよくある。特にジェンダーとか階層の回などには、こうしたたぐいの感想が、場合によってはかなり多くなる。うーむ。

 ついで。「社会方言」についての記述のところ。
 階層ごとの方言の例として、テレビの時代劇で、武士と商人、農民でことばが違うけどアレがそうだとか、職業集団ごとのことばの違いの例として、刑事モノのテレビドラマでの「ガイシャ」「ホシ」などをあげているのに続けて、

 なんだかテレビばかり見ているようであるが、すべては言語学のためである。(p.216)

 このブログを読んでいると、わたしもファンタジーやマンガばかり読んでいるように見えるかもしれないが、もちろんすべては研究のためである。