吉田本第V章・2周目

地域労働市場と女性就業

地域労働市場と女性就業

 記述の繰り返しがほんとに多い。
 これってもともと2本の論文を合わせた章だったらしい。(あとがきから。)繊維と運送業の話はどちらもそれぞれ興味深いので、さっきも書いたけど、別々に章立てしてもよかったんじゃないかなあ。
 あと、ノートを取っていて気づいたのだが、ぼろぼろ不備や不明瞭な記述が見つかる。

  • 愛知県の輸送用機械製造業について

 「85年には、25市の5分の3にあたる15市で構成比の増加がみられ、とくに尾張西部・南部での増加が目立つ。」(p.197)とあるが、1985年の愛知県に市は30あったらしいので、25市の何分の一、というような記述はおかしい。1970年には25市なので、それと混同したのかも。

  • 1970年から1985年までの女性就業者構成比の変化について

 「三河西部・南部における繊維工業の女性就業者構成比の減少分が、輸送用機械製造業の構成比の増加分に直結していないことがわかる。」(p.198)
 ……えと、製造業のある部門で女性就業者構成比が減少したのが、なぜ別の特定の部門の女性就業者構成比の増加に直結するのか、むしろ知りたい。すごく特殊な条件の下でしか直結しないんじゃないだろうか(なんかわたし勘違いしてる?)。
 ひょっとしたら、吉田さんはなにか別なことをいいたいのかもしれない。明日みんなに訊いてみよう。これって博論だから、何人もの人がちゃんと目を通してチェックしてると思うんだけど。

 あと、これは不備とかそういうんじゃないんだけど、地域労働市場におけるジェンダー秩序の問題について、「ローカルなレベルでの分析は十分とはいえず」とコメントしたあとで、「いうまでもないが、これらの問題はまず地理学において解決されるべきである。」(p.193)と言い切る。すっごい自信というか自負というか、なんというか。