読了

パラサイト・シングル

　山田昌弘さんがすでに、この本の中では女性のパラ・シンしか扱っていないが、必ずしも概念的には女性に限らないことを指摘している。それだけでなく、一読した印象では、かなり「母‐娘関係」に焦点を絞った考察になっているように思った。家族関係（あるいはもっと広い社会関係の束）から、「母‐娘関係」だけを切り出してきている。特に第１章など。
　もっとも、第４章では事実婚、シングル・ペアレントなども扱っており、たいへん興味深く読んだ。フランスでの男女関係の変容にも触れられている。PACS施行後ならそういった制度面にも筆が及んだかも知れない。