読了
- 作者: フェデリコ・ロージ,テューダー・ジョンストン,高橋さきの
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/06/05
- メディア: 単行本
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基本的に自然科学分野の研究者向けの本なので、自分にとっては別段実用的というわけではないし、それを目的として買ったわけでもない。まあ、おもしろそうだったから。
読んでいて、著者二人(特に若いフェデリコ・ロージのほうではと思う)のユーモアあふれる筆致が印象に残った。たとえば、「仕事は整然と」(2・8・1、pp.89-91)の項で、「あらゆることに関して経緯を記録しておく」「いくらアドバイスしてもしすぎることがないのは、仕事を整然と秩序だったかたちですすめることの大切さだろう」と述べた後で、注記に、
それは確かにそうなのだが、もし読者の誰かが私たちのオフィスを目にしたら、ひとしきり笑った後、私たちのはなしなど、二度とまじめに聴いてはくれなくなるだろう。少なくとも空間秩序の話題に関しては…。
と書いてあったり。たぶん事実なのだろうから、なおさら笑える。
訳文も読みやすい。一つだけ気になったのは、括弧と句点のくみあわせで、たとえば、
……ということを念頭においておいた方がよい。(フェデリコの議論は、ここで終わり)。
という表記(下線部分)が頻出すること。見慣れないので、ちょっと違和感を覚えた。
あと、どこだったか、原文を参照できないので何ともいえないが、「しかし」と逆接でつながっているところに「あれ?」っという感じを受けた。なんとなく、"not only 〜 but also"っぽい構文なんじゃないかと。
■生き残るための基本原則
なお、著者たちが主張する、「科学者として生き残るための基本原則」とは、次のようなものである。(pp.16-17)
- 第ゼロ法則「自分のキャリアに関心をもて」
- 第一法則「汝、おのれを知れ」
- 第二法則「汝、基本スキルを身につけよ」
- 第三法則「汝の隣人を知れ」
詳しくは本書で。