最終講義・伊藤喜良先生

 隣の隣の研究室の伊藤喜良先生が、定年退職ということで、今日23日に最終講義を行われた。ご自身の中世天皇制研究の軌跡を中心に語られたのだが、戦後しばらく天皇制研究が行われなかった事情や、その後の学会の動向などと平行して、ご自身の研究テーマの力点の変化などを話してくださったので、今日一日でずいぶんと先生の研究に詳しくなったように思う。(笑)
 とにかく、学生部長という激職についていた2年間に数冊の単著(単行本)を出しているのだから、その生産力というか執筆意欲に驚く。懇親会で、「単身赴任をしていて、一人で家にいると寂しいものだから、用がなくても大学に来て、机の前に座ってワープロだのパソコンだのを叩いていたからなんですよ」と言っていらっしゃったが、PCの前に座るとWebを見たり、サーバをいじったりしてしまうわたしとは、そもそも生活習慣が違うということであろう。
 1冊だけわたしも伊藤先生と共著があるわけだが(『福島県女性史』)、あまりにも内容のレベルが違いすぎるので、自慢にもならない。とにかく、同僚の中でももっともすぐれた研究者でいらっしゃることは間違いないと思う。