物語を完結させるのは、物語を書き始めるよりも、難しいことなのかも知れない。

 シリーズ最終巻。作者のひとが「12月頃」とあとがきで書いていたような気がするが、そのとおり12月で完結した。いくか疑問が解消されていないような気もするが、きちんとストーリー上のオチはつけたし、これでよかったかなと。枝葉的なエピソードをあまり広げず、ずいぶん禁欲的に仕上げた作品という印象。

 別な終わり方をしたのがこちら。「永遠に語り続けられる物語」の一つ(もう一つドイツSFでありますがw)だったが、作者の死で終止符を打たれることになった。
 初期に発表された外伝のところまでしか時間的に進んでいないのが、残念でならない。ファンは、「いつかこの人はこうなって、この国はこうなって」ということを長く心にとどめながら読んできたと思うのだが、その先を知ることができなかったことになる。

(157)(158)