読んでた

銃姫 -Phantom Pain-(1) (シリウスKC)

銃姫 -Phantom Pain-(1) (シリウスKC)

 コミックで続きが出ているのを最近知ったので、とりあえず後世編の1巻だけ。高殿さんのツイートによると、今月号で完結したらしい。続きも買うかも。

煉獄姫 (電撃文庫)

煉獄姫 (電撃文庫)

 シリーズ全部。以下、ツイートのまとめ。
 作者のかたが6巻のあとがきでいろいろ気にされていたので、へええと思った。そもそも放射線って、そのままエネルギーに使ってるわけじゃないので、煉獄の毒気の設定(魔法の力であるとともに、工場の機械などを動かすエネルギーとしても使われている、そして人体に有毒)が放射線を意識したものだなんて、まったく考えなかった。設定としては、風刺込みでそうだったらしい。物語の舞台が、19世紀半ばぐらいのイギリスを思わせるものだったせいもあるかもしれない。マルクス主義者っぽい人たちもいるし、工場労働のようすがエンゲルスの描写を思わせるし、そもそも「瑩国(えいこく)」だし。
 震災の体験、震災後の体験を直接描こうという文学作品ももちろんあるし、そういった作品はこれからも書かれるだろうけど、SFやファンタジーでは、震災そのものを素材にするのではなく、いったん消化することが必要だと思う。どう消化するかを含めて、それは作家の力量であるし、作品の質を決めるものだろう。
 特に異世界ファンタジーは、直接現実世界で起こったことは描けないので、何か工夫が必要になる。ポピュラーなところでは、放射能を「瘴気」と置きかえるような。だから、藤原さんが本作でやったようなことは、「あり」だと思う。
 もっともこの作品は、震災前から書き始められているので、初発の段階では原発事故は影も形もない。細かく読んでないし、そこまで書き込まれているかもわからないけど、震災前と以後では何か変わってきているのだろうか。どうなのだろう。あとがきを読むと、震災以降かなり苦労して執筆されていたようなので、作者という主体の側には何かあったのだろうけど、作品にどのぐらいそれが反映されているだろうか。
 なお、最初に読んだ『アカイロ/ロマンス』や、現在進行中の『ロストウィッチ・ブライドマジカル』だと全然そういうところはないが、デビュー作の『ルナティック・ムーン』と『煉獄姫』は、「父と息子の物語」でもあるなあという印象。今回は、息子は父から知識を引き継ぎ、娘は母に守られる。そういうお話でもありました。