FFX-2考察

 さて、女の子だけのパーティというのは、FFシリーズでは初めてだと思いますが、別にだからといってフェミニスト的とかポリティカル・コレクトネス(PC)だとかいうことでは全然なくて、エヴァとか『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』で戦闘員に女性が多いのと同じことでしょう。たくさん女性のタイプ出しておくから、好きなの選んでねって感じ?――もちろん、男性の受け手相手に語っているわけです。
 斎藤美奈子さんが『紅一点論』(ちくま文庫)のもとになった原稿(『ハイパー・ボイス』に収録の「紅の戦士」)で、ウルトラマン・シリーズがアメリカで制作されたときに女性隊員の数が1人から2人になったということを書いてましたが、あれはPCだという指摘をしていたように記憶しています。ついでに人種的な配慮も若干あったような。
 むしろ斎藤環さんが『戦闘美少女の精神分析』(太田出版)で提示した「戦闘美少女」という概念にちょうどあてはまるのが、このゲームだ、といえるのではないかと思います。

 ただ、著書(ISBN:4787232347)で指摘したようなことも同時に言えるかも知れません。つまり、「戦闘美少女」というのはあくまでも、男性の受け手を前提とした時の話であって、女性の受け手(プレイヤー)にとっては別の解釈が成立するのではないか、ということです。もちろんそこで、露出度が高かったり、胸が過度に大きかったりすることに違和感を感じることもあるようですが。(胸の大きさについては、FFX-2ではそういうことはないけど、学生に訊いてみると、「トゥーム・レイダー」などのゲームについては、そう感じる子もけっこういます。)
 一度機会を作って、FFX本体と合わせて考えてみたいと思います。