コース入門科目・中内論文後半

 後半というか二〜四の部分。

 二のところの構図は単純。ここでも「第一領域」「第二領域」という二分法が出てくる。で、時間と空間双方(これもある種の二分法)における両者の関係が確認される。さらに後半では、国家と家族・市民社会という二分法も登場する。
 ややこしいのは三のところかもしれない。いや、ややこしくはないか。途中「教育の社会史」の成果のサマリーがはさまるところがあるのだが、この部分、基礎知識がないとわけがわからない。やっかいきわまりない。授業中でも、説明しようとして頓挫してしまった。きちんと説明しようとするととてつもなく手間がかかるのだ。
 この部分さえ切り抜ければ、あとは図を使ってのまとめと、そのあとの日本でのケーススタディ風まとめということになる。
 四は別な意味でやっかい。発達心理学の話にいきなり変わってしまうからだ。ここもある程度の基礎知識がないと完全な理解には至らない。だがもう時間がないので、報告者の発表で概略をおさえたことにしておく。

 ところでこういうゼミの時、テキストはいったい何回ぐらい読まれるものなのだろう。もちろん、レポータは何回も読むのは当たり前。自分としては最低4回である。まず1回は全体の見通しをつけて内容を把握するために読む。2回目は線なぞを引いたりコメントを書きこみながらじっくりと読む。ただ、それだけではわからない部分があるので、そういう箇所はもう一度読み返す。最後に「どうやってこれでゼミをやるか」という観点からもう一度読み直す。(4回目はゼミの直前というか、前日から当日にかけてになる。)
 学生にとっては4回目はレポータ以外は必要ないが、もう一度全部をふりかえって何が書いてあったのかの確認をすることは非常にだいじだろう。最初のさっと読む代わりに、じっくり1度読んでみるということでもいいと思う。というわけで、1)まず最初読む(じっくりと、文章の構造を見きわめながら)、2)次に、わからないところをいろいろと調べつつ、1回目の読みで落ちている部分をきちんとおさえる。3)最後に全体のまとめをするために通して読む。細かいところよりも全体の把握重視。
 ……なんてことをマニュアルっぽく話してみた。