総合科目:福島県の女性労働〜多様な働き方をめぐって

 今週は、元福島県男女共生センター研究員の熊谷薫さん*1に来ていただきました。熊谷さんは在任中に、県内の女性たちの多様な働き方についての定量的・定性的調査をなさっているので、その報告をしていただく、という内容でした。
 女性の「多様な働き方」と言った場合には、まず職場(会社やその他の組織)における就労形態の多様性(派遣社員だとか契約社員だとかパートだとか)を指すことがありますが、今回はその他に、「自己雇用」や「キャリアプラン/ライフプラン」などにかかわる、「自分のキャリアをどう設計していくか」という問題について力点をおいてお話しいただきました。
 特にヒアリングを中心とする定性調査では、NPOの「メディア・イコール」(郡山市)やSOHOを支える「いわきテレワークセンター」、コミュニティ・ビジネスの奥会津書房などを調査されており、今日もその調査内容の紹介がお話の中心になりました。
 いろいろな論点が出ましたが、特にSOHOなどについて、規模は小さいけれど、オペレーションは企業経営と同じ、それなりの知識や覚悟が必要とされるということ、また規模が小さくとも「社会のどこに響かせるのか?」ということを考えれば、あえて株式会社にしてみるというやり方もある、というようなお話が印象的でした。

*1:一橋大学社会学部卒。社会学専攻。電機メーカーでマーケティング部門に勤務した後、東北大学大学院経済学研究科修士課程を修了。現在はキャリア・アドバイザー。名古屋市在住。