安田尚、『ブルデュー社会学を読む』

 少し前に借りものに目を通す機会があったのだが、先日研究室を整理するまねごとをしてたら、どうやら出版直後に入手したらしきレシートと共に現物を発見。ということで、最初の方にもう一度目を通してみる。「読書」とは言えない程度。

ブルデュー社会学を読む―社会的行為のリアリティーと主体性の復権

ブルデュー社会学を読む―社会的行為のリアリティーと主体性の復権


〈目次〉

はじめに

第1章 社会科学の認識論
 1 社会学における疑似問題
 2 認識論上の前提条件
 3 社会科学における認識論的切断
 4 社会科学における対象構成と事実の確認

第2章 ブルデュー社会学の方法と基礎概念
 1 ブルデュー社会学の方法
 2 社会科学の認識論
 3 ハビトゥス概念
 まとめ

第3章 ブルデュー社会学における構造と主体
 1 実践を語るとは
 2 ギデンズにおける構造と主体
 3 ブルデューにおける構造と主体
 4 ブルデューにおける「再生産」のメタファー

第4章 ブルデュー社会学における実践の論理
 1 関係・過程と時間・身体の視点
 2 「実践の論理」と学的知
 3 「実践の論理」における時間
 4 「一覧図式(学的知)」と「身体図式(ハビトゥス)」
 5 「実践の論理」における身体

第5章 ブルデューにおける支配の論理
 1 支配の様式
 2 支配の様式と実践のエコノミー
 3 物的支配と象徴的支配
 4 支配の制度化

第6章 ブルデュー社会学における階級論
 1 階級論の困難性
 2 階級的属性と地位、状況、時間
 3 階級的属性と象徴的関係
 まとめ

第7章 ブルデュー社会学マルクス理論
 1 ブルデューの学問的系譜
 2 西欧マルクス主義の潮流とブルデュー
 3 ブルデューマルクス理論
 4 たたかうブルデュー

おわりに

 江原由美子さんのブルデューとギデンズの比較対照(『ジェンダー秩序』)に、少し違和感を覚えたりもしていたので、著者の「構造による支配のメカニズムを可能なかぎり解明し、これを前提に主体性の回復をはかろうとするもの」(「はじめに」、p.6、原文傍点アリ)というブルデューの立場の位置づけは、まあ納得がいく。
 ……わけだが、そういえば、第1章などで取り上げられている『社会学者のメチエ』って読んでないし、持ってないな。(爆)