コース入門科目:中内敏夫、「新学校史の社会過程」

 コース入門科目最終回。
 中内さんの論文は、最初に『新しい教育史』の序を読んで、そのあと子ども史、そしてこの論文と、都合3本読んだことになる。
 レポータの報告は若干ピントをはずしているところと、理解が不十分な箇所がいくつかあった。まあしょうがないと思う。しかし、論文の構成の理解にとって重要な、序論に相当する部分で問題構成を議論している箇所をほとんどまるまる飛ばしてしまったのはまずいよ。何度も繰り返していることなんだし。
 あとこの論文では、キー概念になる「新中間層」の定義がいささか古めかしいというところがある。(言葉も。)ここはほんと、もっと社会学の階級論のエッセンスを取り込んで、再構成する必要があった箇所ではないだろうか。まあそれは、議論を引き継ぐものがそれぞれに取り組めばいいことなのだろうが。