引き続き読書中:佐藤文香、『軍事組織とジェンダー』

 マシン再構築で中断していたので、ざっと1章からおさらいし直して、第3章へ。


 セクシュアル・ハラスメントの矮小化のメカニズムが興味深い。軍事組織だからという面が自衛隊にはあるだろうが、もちろんその他の組織でも言えることだ。研究者仲間と話をしていても、「(院生時代の)セクハラ? あったけど、いちいち気にしていられなかった。そのうち気にしなくなった。」というような語り方に出会うことがある。彼女たちの中で、セクシュアル・ハラスメントはその存在を極小化されていくのである。そうすることによって、自分が受けているかも知れない「被害」を小さくし、「些細なことにこだわるやつ」(「だから女は……」)という評判を回避しようとするのかも知れない。
 「だが、言うまでもなく、彼女たちが『セクハラの矮小化』を行うことにより、セクハラを引き起こしている組織文化そのものは無傷のままに守られることとなる。」(p.263)