うっかり一気に読んでしまった

失踪日記

失踪日記

 ……すげえ。
 わたしにとっての吾妻ひでおというと、まず『ふたりと5人』で、その次が『ひでおと素子の愛の交換日記』(新井素子との共著)になってしまう。かなり後になって、『不条理日記』は読んだけど。
 あ、「アズマジロ」ってのもあったか。(笑)
 ところどころの短い台詞が泣かせる。「ホームレスやってると働きたくなる/肉体労働やってると芸術がしたくなる」(p.105)とか、「このハガキ 今でも大事にとってある」(p.140)とか。
 絵やテンポが絶妙。ホームレス生活を描いたものというとエイミー・トムスンの『ヴァーチャル・ガール』(ISBN:4150110794)があったが、こっちは実在の人間の実体験に基づいたものなので、妙な親近感がある。
 たいへんでしたね、吾妻さん。(過去形じゃなかったり。)