今日のこと

 今日のゼミは前回からの続きで卒論の中間報告会。(12月にももう一度やる。)
 前回と今回とで4人の学生が報告。仮に学生の名前をA、B、C、Dとしよう。

  • Aさん

 メディア表象(映画、ドラマなどでの)としての「主夫」が対象。性別役割を乗り越えようとしている男性がどう描かれるかということが中心的視点。ところが主夫が登場する作品ってあまりないので、シングルファザーまで少し対象を広げることに。まだ対象を全部観ていない(家にビデオがないんだっけ?)のが難点。とにかくそこをクリアしないとお話にならないが、やることは前から決まっているので、迷いはない。

  • Bさん

 少年マンガにおけるラブコメものの定位を目指す。男性論というよりは男性向けメディアにおける女性表象の分析という感じ。マンガ史上の位置づけ、少女マンガにおけるラブコメものとの対比、具体的な作品分析など。対象にした作品はきちんと読んで、分析も進んでいる。彼女もやることは決まっているので、作業を進めるだけ。

  • Cさん

 高齢者介護、特に家族介護におけるジェンダー分業と当事者の認知の問題を扱っている。フィールドに入って調査を行なったのだが、調査のデータ分析が遅れている。とにかく早く記録を文字に起こして、スタート地点に立て、と促す。彼女は勉強家だが、いろいろと迷いはあるようだ。とりあえず問題を整理して、次にやるべきことを明確にした。

  • Dさん

 ある意味一番難しいテーマ。ラジオ放送におけるジェンダーの問題を扱っている。この分野では日本でほとんど先行研究がない。また、労働分析にするのか(性別職務分離の方向から攻める)、純粋にメディア分析でいくのか、というところでも、最後までしぼりきれない。どっちにしても困難がつきまとう。はたまた「声」自体をどうあつかうのかという問題もある。*1とりあえず、当事者(アナウンサー)はまったくこういう問題を認識していないらしい、ということだけは、インタビューから明らかになったようだ。*2

 ……がんばれ4年生。(←無責任)

 なお、今日は一転して曇り空。途中雨がぱらついたところを見ると、会津は雨雲or雪雲におおわれていたようだ。冬はよく風で雪が西(会津地方)から運ばれてくるのである。福島市からだと、吾妻連峰の上からその向こうにかけて、冬場はずっと雲に覆われているように見える。「クトル・ミシュラク*3と呼ぶゆえんである。(呼んでいるのはわたしだけだが。)少なくとも山の上の方では雪になったようだ。

*1:サウンドスケープ論などでも、声と/のジェンダーという問題はほとんど手つかずといってよい。音楽研究などでも、楽曲それ自体におけるジェンダーの問題というのはとりあつかいかねている、という印象を受ける。

*2:ただし対象がきわめて限られていて、一般化するのにはやや難がある。その点は留保をつけておく。

*3:エディングスのファンタジー、〈ベルガリアード〉で悪神トラクが住まう都市のこと。一年中雲に覆われていて、陽がささない。