「共働き」は給与減額

共働きの日田市職員給料2割ずつ削減条例案提出へ

2年間限定、職労は反発
 大石市長によると、条例案は夫婦や親子で一緒に生活している市職員が対象。地方公務員法二四条で職員給与は生計費で、地方公共団体や民間事業所の従業員の給与などを考慮して定めなければならないとあり、昨年の人事院勧告で、公務員給与が民間に比べて高いとされたことから判断したという。
(後略)

 mixiで知った報道。地元紙がいちばん詳しいようなのでリンクしておく。
 「夫婦や親子で同居」の職員が対象だが、事実上共働きの夫婦が対象になる。(33組いるらしい。)とりあえず、現市長の在職期間である今後2年間の措置として提案するらしい。
 法制的には条例で規定すれば引き下げは可能だろうが、「生計費」とはいえ、賃金は働いた個人の労働の対価なのだから、結婚しているからといって減額するのは奇妙きわまりない。
(※ここからあと、「ところで」までをうっかり消してしまって、一度書き直しています。以前のものとちがう可能性があります。)
 どうも根強い世帯主義が残っているのではないかと思われる。しかし、今回の場合でもわかるが、まったく合理的な説明になっていない。たとえば結婚してる女性が仕事を探している時、「あなた結婚してるから養ってもらえるでしょ。かわりにこっちの人採るわね」とか言われたり、仕事始めてから「ほかに稼ぐ人がいるから生活に困ってないでしょ。お給料減らすね」って言われたとしたら、それは明らかにアウト。なのに、これがセーフだというのはまずかろう。

 ところで記事中にもあるが、背景には交付税の削減で厳しくなった自治体財政事情があるわけだが、

■以下冗談

 ということを念頭に置いて読んでいただきたい。
 さて、ここも合併後の自治体ということだが、合併した直後はともかく、その後交付金は減らされて財政状況は以前より苦しくなる。(rf. http://d.hatena.ne.jp/./june_t/20051206/p1)合併後で人口7万だから、それほど財政規模は大きくないだろう。比較して、カバーしなければいけない地理的範囲は広い。ただでさえ少なかった予算がさらに縮小されるわけだが、サービスの質・量は保たなくてはいけないので、削れるところはどこかというと、結局は人件費。
 そこでどう考えたか。これまで別々にお金をもらっていた職員の男女が結婚して一つの自治体(=世帯)を作るようになったら、交付金(=給料)を減らせばいいと。いやそれって結局、自分たちがやられたことを下に押しつけただけじゃん!
 今後この自治体で職員間の結婚を奨励したりしたらおもしろいかも*1。特別お祝い金を支給したりして*2
 以上繰り返すが、あくまでも冗談である。(たぶんね。)


しかしまあ、わたしたちはこの自治体の首長を「アホ」とかいって笑ってしまう資格はないのではないかと思う。たとえば公務員や教員で夫婦どちらかが管理職になると、もう片方が退職するという慣行がある自治体とかもある。以前福島県内の市町村で問題になって、たしかその自治体ではやらなくなったはずだが、話を聞くと他県ではどうもまだあるらしい。これだって同根である。意外に身近にこういうネタはころがっているかもしれないのだ。

*1:おもしろくありません。念のため。

*2:財政難ですからできません。念のため。