またやらかす世界日報(しつこい)

 いやここまで無茶苦茶な「記事」も珍しい。以下、いかに「無茶苦茶」かを解説。

「男らしさ・女らしさ」を否定するジェンダーフリーの是正が行われるなか、猪口邦子男女共同参画担当相が講演し三人の知事が討論する催しが五日、福島県郡山市の「女と男の未来館」(館長・下村満子元朝日新聞編集委員)で行われた。

 福島県男女共生センター(別称・女と男の未来館)があるのは二本松市。サミット開催は郡山の「ビッグパレットふくしま」。(5W1Hを正確にって報道の基礎でしょう? しかも施設の所在地だよ?)

 猪口担当相は講演で「男女のトイレマークを同色にするとかいうことは、男女共同参画とは無関係」と指摘した。

 ここは猪口さんの講演の中身。で、これで終わり。(をい)
 このあと5倍以上の長さで「解説」というか、状況説明が続きます。内容はリンク先を。

 講演後、福島県佐藤栄佐久、千葉県の堂本暁子鳥取県の片山義博の三知事らが討論。各知事とも男女共同参画の先進県ぶりをアピールした。
 だが、佐藤知事は平成十五年、伝統ある県下の男女別学高校を、フェミニストの「男女共同参画=男女共学」という主張に流され、一律共学にしてしまった。

 知事が具体的に何を話したのかひと言もないままに、「過去の行状」が続くって……。
 個人的には「フェミニストの(……)主張に流され」という記述も疑問。まあ「フェミニスト」というのは、「共学化」決定当時学校教育審議会のメンバーだった二人の女性のことではないと思うが。そんなにフェミニストの力があったら、もっと県内変わってるよ。(昨日のdemianさんのコメントを参照してください。)


 なお、県立別学高校および学科の「共学化」に向けた県学校教育審議会答申*1は1993年6月に出ている。(「県下の」というのはやや不正確。)「共学化」が始まったのが1994年度。
 なんでこんなに早く始めることができたんだか、ほんとに不思議。このあたりはわたしは福島にまだいなかった時期なので、よく経緯とかいきさつが頭に入ってません。一度勘違いした記事をここにも載せてしまって、うっかり見ちゃった方にはsorry。まあ2003年(2002年度)は「共学化」が終了した年なので、この年をあげるのには根拠があります。

 このあとには堂本知事の「行状」とそれに続いて、彼女の話したことがちょっと。鳥取の知事は無視。(笑……いや、ここ笑うとこちゃう)最後に下村さんが「バックラッシュ」という言葉を口にしたことが書かれている。
 つまりは結局、このイベントで何が話されたのかについての記述は3、4行なのである(しかもその半分が猪口さんのアレ)。何のためにこの社の記者はわざわざ取材に行ったのか。これはいったい報道といえるのか。
 この「新聞」にお金払ってる人は考えた方がいいですよ。仕事してませんもの。


エンタメだと思えばいいのかそうか。

 今回は中身の話ではありません。それ以前の問題でした。

*1:男女雇用機会均等法の施行や平成6年度からの家庭科男女共修など男女共同参画社会が一層進行する中で学校教育の基本的な在り方として本県においても早急に具体策を検討し逐次共学校化を進めていく必要がある」。