読了本

 もお面倒くさいので、読んだった。

 陰謀たっぷり。読むのにすごく時間がかかった。コバルトのくせに。(をい)もっとも、いろんな「謎」について、いささか説明不足なところもあるように思う。

 第1巻の世界構築作業に比べると後始末的な印象もあるが、それはしょうがない。個人的にはアリアの決意の内容(幻獣を統御できる力を身につける)が興味深かった。ストーリー的にはもう少し2巻独自の展開がほしかったかも。世界観も含めて、まだ表面をなでてる感じがするので、これからに期待。
 つーか、光焔、あんたおちゃめすぎ。

■二つ注文

 1)生まれてくる女性の数が少ない&精霊や幻獣を使役する力があるので女性が大事にされるということと、陰謀やら思惑やらなにやらを抱くのはやはり男性が中心というふうに描かれているということ、この2つをどう扱っていくか。なんとなく第2巻では後者に力点があって、前者の設定がうまく活かせていないような。(でもたとえば、実は女性も……であっても、アリアの今の視点からはたぶん見えてこないので描きにくいはず。このへんも含めて今後に期待、ということ。)

 2)シェナンがやたらえらそうだったり、アリアがテーブルマナーでちょこっと戸惑ったりしてたけど、それを除けばこの世界ではあまりハビトゥスの階級・階層差が感じられない。そのあたりに違和感。

 あ、あと、光焔のセリフが二重かぎかっこだったり、かぎかっこだったりするのって、意味があるんでしたっけ?

■ところでもともとの設定ですが

 男性経験がない女性の「気」の力が幻獣を養うということでした。でも男性とセックスしたとたんに幻獣がいなくなっちゃったりするって、それってすごい目印。嫌かも。(註:いきなりいなくなるとは書かれていません。)
 まあこのへんは、ユニコーンの設定に関して、SWリプレイでさんざんからかわれてましたね。

 しかし、やっぱ更年期には幻獣もいろいろたいへんなんでしょうか(ばき☆

 ……ちょっと真面目な方向へ話を戻すと。
 騎士団にいる巫女に若い女性が多いというのも、男性経験アリになると幻獣がいなくなっちゃうからということなんでしょうけど、それってあまりにも「結婚退職制度」をなぞっているようで、なんだかなあと思います。そうでないなら、もうちょっと歳のいった女性が権力の座に近いところにいてもいい(騎士団には居場所はなさげだけど)。これはさっきの1)と関連するかも。
 要するに、下手をすると「紅一点&魔法少女」という斎藤美奈子指摘の、日本アニメの女性像を超えられない範囲にとどまっちゃうということです。でもそれだとちと設定がMottainaiような気がします。