Château Bouscaut, 1964

 お誕生日に生まれ年のワイン。Château Bouscaut, 1964年。ボルドーのこの年は戦後の大豊作年で、良いワインが大量にとれたとのこと。

 まず、到着してから1週間冷蔵庫野菜室に保管。もちろん開け閉めでゆれはするが、できるだけ落ち着かせたい。
 では開けてみる。さすがに40年以上の年月が経っているため、まずコルクがダメになっている。外側にはうっすらとカビが生えているが、ワイン販売店で訊いたところ、これは特に問題ないとのこと。ところが、コークスクリューを入れて、引いてみると……コルクが崩れてスクリューだけ抜けてくる。orz
 コルクは20年ほどで傷んでだめになってしまう。ものによってはリコルク(コルク栓の入れ直し)をしているらしいが、これはそこまで手をかけていないのだろう。結局コルクは抜けず、フォークでできるだけの量をかき出した後、最後はつっついて中に落とした。
 飲むまでにかなり苦労を重ねてしまった。(笑)ワインそのものも、かなりへたっている感じ。ワインに詳しい人からは、「いい加減くたびれているはずなので、いいところを評価してあげてください」と言われているので、以下(できるだけ)そうする。
 コルクが落ちた瞬間に、強い香りを感じた。ただし、ふつうのワインの香りとは違って、どちらかというとヒネ香に近い。中にはコルクくずが浮遊しているので、茶こしでこしてグラスに注いでみる。味わってみると、ヒネ香は混じっているが、それほど強くはない。タンニンは、まろやかな渋みに熟しあがっている*1。最初はかなり酸味が強く感じられたが、時間をおくとややまろやかさが増した。
 まあ、一度「古酒」と呼ばれるものがどんなものなのか試してみたかったということなので、お値段は張ったが所期の目的は達成することができて満足。でもものの本によると、ワインの飲み頃は15年とか20年とかなので、次はそのあたりをと思う。
 今回調べていて、20世紀前半や19世紀のワインとかも検索に引っかかってきたりした。1本数十万円、中には100万円以上するものとかもあった。正直、そんなのってまともに飲めるのかという気もする。もちろん何に価値を求めるかは、人によって異なるだろうけど。

*1:時を経てずいぶんとオリとなってもいるし。