読了

 発熱して仕事ができない。

チェンジリング・シー (ルルル文庫)

チェンジリング・シー (ルルル文庫)

 軽いロマンス・ファンタジー。魔法に関しては、マキリップらしいお話。もっとも、かなり甘口。

あたしと魔女の扉 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1)

あたしと魔女の扉 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1)

 モダン・ファンタジー。「あなたのファンタジー概念をくつがえす」とかなんとか帯に書いてあったような気がしたが、そんなことはない。魔法の才能を持った主人公が、魔法の存在を否定していたが、ある段階で否定しきれなくなり、訓練を受けることになる、というのはよくあるパターン。(ベルガリアードもそうだし、「狂気か魔法か」という選択肢なら、「魔法十字軍」も同じ。)
 そっちより、作中に『ホビットの冒険』やハリー・ポッターなどの書名が登場することの方がめずらしい。(笑)また、主人公が祖母の家を探検するようすや、隣の家の男の子とのやりとり、オーストラリアとニューヨークの比較文化などは、すぐれた描写で楽しませてくれる。好著。
 なお、途中で出てくるJ・Tという女の子は、わたしのことではありません。
 ところで裏表紙のアオリには、「親子の愛について豊かに描き出す」とも書かれているが、実際には、祖母と主人公のリーズンとの関係は、「愛情」という言葉で片付けてしまえるような単純なものではない(というか、これからそうでなくなる)ことが末尾近くで示されているし、J・Tと父親の間にも、明示的には書かれていないが、何らかの虐待(性的なものも含めて)があったのではないかと思わせる記述がある。

風雲への序章―グイン・サーガ〈123〉 (ハヤカワ文庫JA)

風雲への序章―グイン・サーガ〈123〉 (ハヤカワ文庫JA)

 新刊。以上。