読了・「女性求職者への職業訓練施策」

 諸事情あって読む。

  • 浅野かおる、「女性の求職者に対する職業訓練施策の展開:失業者対象訓練および短期訓練を中心に」(『職業と技術の教育学』、1999年、CiNiiからPDFにリンクあり)

 戦後日本における女性求職者に対する職業訓練は、戦争直後よりしばらくは家事サービスに特化したかたちで実施されてきたが、1980年代末より既婚女性のパート労働力化にともない、「軽易な業務等」の従事に向けた短期訓練の実施に力点が置かれるようになったことが、具体的な資料の検討を通して明らかとされている。
 公的に提供されている職業訓練施策が、性別職務分離をどのようなかたちで補強していたかを知るというアプローチは重要だろう。ただし、問題の位置づけがややたどたどしいために、全体の説得力が弱いことと、検討している資料がとびとびであるのが気になるところ。