性愛について

 上の記事でdilettanteさんの名前がまた出てきたので、ついでに日記にトラックバックしておきます。(id:dilettante:20041125)


そして一番心を打たれた台詞がこれ↓v

ふたなりは……邪道!!!!
…百合プレイは異性間SEXの擬似に非ず
女子が女子を責める時は――棒に頼らず己の技で勝負すべし!!!
…ね?最高でしょ?(誰に聞いてんの)
 ……そうですね。(笑)
 実は違う文脈ですが、ヘテロセクシュアルの「挿入‐射精」(英語で"Insert-Ejaculation"と書いた頭文字取ってIE*1とかしますか)中心のセックスでないセックスという意味で、「棒に頼らず」のセックスについて言及したことが以前あります。
 取り上げたのは、山田玲司の『Bバージン』(小学館)のひとコマ。*2

 「モテる男」のイメージを必死になって自分のまわりに築き上げてきた元カメオタク少年の住田秋くんが、自分の恥ずかしい過去も今もすべて打ち明けたあとで、北川ミル(女性)と裸で抱き合って過ごした夜、彼の心の中で展開された「青年の主張」の場面である。秋と抱き合いながらミルが「すみた、あたしたちせっくすしてるよ」と言ったのは、挿入が行われているということではなくて、二人の身体的接触を介して二人の心が「つながれている」と彼女が感じた、ということを意味している。別段、「こういうのが本当のセックス」という主張をするつもりはないが、「挿入‐射精」ではないセックスのあり方の一つの具体例として、参照することができるだろう。
 あるいは、中高年のセックスでは、もう男性がいつもは勃起しないとかということもあるかもしれない。そこであくまでもIEにこだわっちゃう人はなんだか薬でも飲むのかも知れないですけど、木本喜美子さんが言う「愉快婚」(もとはマーガレット・ミードのことば)なんてのは、このあたりに対する問題提起だろうと思います。結婚=セックスじゃなくて、「愉快」であれば別にいいじゃないってこと。*3
 ……まあそういう境地に達するまでは、相当かかりそうですけどね。(笑)(わたしのことじゃなくて、いろんな意味での一般論ね。)
 ただそこで、レズビアンの性愛のありかたというのはこのとききちんと自分の視野に入っていなかったかな、とちょっと反省させられました。IEだけが「ほんとのセックス」ってことになると、レズビアンの性愛は「セックス」じゃないってことになるのに。3刷出るとき直しますか。(もうないか。)
 ……なんだか授業やってるみたいになってきたな。(笑)

*1:これ変なキーワードに引っかからないだろうな。(笑)(後記:ひっかかるみたいっす。)

*2:以下はISBN:4842911255が、手持ちのテキストファイルと実際の印刷物とで若干の相異があるかも。校正段階で修正したところが必ずしもファイルに反映されてないから。

*3:実は、そこでなにも異性のカップルにこだわらなくてもいいんじゃないかということも、彼女は付け加えて書いています。