コース入門科目:牟田和恵、「『家庭』の登場とそのパラドックス」

 初出は1990年の『社会学評論』。牟田和恵さんの「出世作」と言ってもいいだろうか。*1
 『社会学評論』に掲載されただけあって、いわゆる「論文」の形式をきっちり備えている。1の部分が序論、2・3が本論、4が結論(まとめ)。1の冒頭で西欧家族史研究が簡潔にまとめられ、続いて対象の設定、方法論的問題への言及と続く。西欧家族史との対比は結論部分でも繰り返される。本論部分は前半が「家庭」概念について、後半が「女性」と私的領域との関係について、それぞれほぼ時系列に考察がされている。すごくわかりやすい。わかりやすすぎ。
 そう、わかりやすい構成をしているはずなのだ。「はず」なのだが、だがしかし。(泣)
 頼むからさあ、論文の構成をきっちり把握することが、論理構成をつかむ上で重要だってことを繰り返し言ってるんだから、ちゃんとやってくれよ〜、とほんと泣きたくなる。字面だけまとめりゃいいってもんじゃないんだよ。それを繰り返し繰り返しやってきてるんだからさあ。頼むよ。(哀願)*2

*1:てゆーか、わたしこの論文で牟田さんの名前知りました。

*2:……いやちょっと人生に疲れました。