新刊:『女性のデータブック・第4版』

女性のデータブック―性・からだから政治参加まで

女性のデータブック―性・からだから政治参加まで

 どのへんが第3版と変わったのか、簡単に比べてみました。
  Part 1、データ・ファイル編では、まず「1 結婚・家族」のところは、「近代結婚制度の揺らぎ」という項が新しく立てられたのが目につきます。第3版では「制度としての結婚」という項があって、そのサブタイトルで「揺らぐ結婚パターン」となっていたのですが。
 「2 性・こころ・からだ」では、生殖技術・性感染症・「病気とジェンダー」の項目が立てられ、「アルコール依存症」は「アディクション」に変わっています。また、この章に含まれていたDV・強姦は、新しく章が立てられました。
 その新しい章が「3 女性と暴力」。DV、児童虐待ジェンダー、セクシュアル・ハラスメント、ポルノグラフィと暴力などからなる章です。
 「4 女性と労働」の章はかなり項目が整理されました。まあセクシュアル・ハラスメントが3に移ったのもありますが。
 「5 教育とジェンダー」ではキャンパス・セクハラ、アカハラの項目が立てられ、もう一件、「共学・別学」という項目ができたのが気になるところ。ただ、内容は充実しているとは言いがたいでしょう。(別学高校の割合、お茶女・奈良女両女子大の受験理由、両大学の将来像、これだけ。)
 「6 マスメディアとジェンダー」は以前は「マスメディアと女性」だったもの。男性中心主義の表現に変動の兆しがあるか?とか、とんでもなく古いデータ(1980年ころのもの)だった、テレビニュースでのアナウンサーの原稿読み上げ時間性別比較は、データのアップデートがされています。
 第3版で章が立てられていた性役割については、「7 男女共同参画はどこまで進んだか」の中の一つの項目になりました。また第3版で労働のところにあった家事、同じく第3版で「社会的活動の場で」の章にふくまれていたようなことがらもここにおさめられています。
 また、政治・政策に関わる「8 女性の政治参加とジェンダー政策」という章が新しく作られています。
 Part 2の年表は、2004年まで延長されています。
 Part 3の女性関連主要法令は新しく追加されたもの。条約から国内法規まで主なものをカバーしています。