読書中:『〈現代家族〉の誕生』
- 作者: 岩村暢子
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本
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第3章を読んでいて、ふつふつと怒りが。(本の内容への怒りではありません。)
家族も、当時は「お母さんだけの家庭の味」の煮物などより、市販の「素」や「ルー」で作った新しく珍しい料理を喜んだに違いない。(p.111)
カレールーとかが出てきた1960年頃の話なのですが、今やもう「ルー」や「素」で作ったものが「おかあさんの味」化しつつありますから。
たまには本格カレーを作ろう、と思って、わたしが玉ねぎを30分以上炒めてスパイスを調合して鶏肉を3時間以上煮込んで作ったカレーをですね、一口食べて「いつもと違う」としか感想をもらせないようなヤツらです、今時のお子さまというのは。(註:もちろん全員ではありません。)
まあもっとも、今もう味噌も醤油も家で作ったりしませんし(昔の家政書には「味噌の造り方」なんてのが載ってましたが)、梅干しも自分でつけたりしませんから、「その家だけの味」なんてのはもうどこにも存在しないんでしょうけど。
この本の内容の延長でいうと、「その家だけの味」を持っていた家ははたしてどのぐらいあったのか、ということもあるでしょう。そもそもそんな大したものを食べてなかった人たちも多かったわけですから。
あるいはまた、味噌汁なんてインスタントスープみたいなものとも言えますからね。お湯わかしてそこに味噌入れればできるわけだし。
……しかしそれでも頭に来るものは頭に来るのです。(笑)