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 あー、これ売ってるんだ、と発見したと思った次の瞬間に購入が終了していた。不思議。

 高谷玲子『静かに自習せよ(マリコ)』『涙で顔を洗おう(続マリコ)』(ともに秋元文庫版、1974年)。中学1年の時に読みました。表紙・挿絵はみつはしちかこ。単行本は1962年と65年の刊行。作者の高谷玲子さんは、65年に亡くなっています。
 平凡な中学生の日常を描いた小説ですが、不思議な魅力があります。『涙』ラスト近くの職員室での先輩とマリコとの会話が、妙に心に残っていました(もっとも、これがラストシーンだと思っていたら、もう一つ続きがありました)。
 そういえば、マリコの家は父ひとり・子ひとりの家庭で、“フェリシテ”こと生島エミさんがお手伝いさんでいるわけですが、読み直してたら、友人の白石雅也くんのところは母親とお兄さんに彼という家族構成でした。で、あえて彼は定時制高校へ進学するんですね。
 郡山の古書店で購入。ほとんど読んだ形跡のない、状態のいい本でした。中にみつはしさんがイラストを描いたしおりが、1枚ずつ入っていたのもうれしかった。
 ところで、作者のひとの名前を、どうしても「たかやのりこ」といってしまいそうになります。(を