総合科目・ジェンダー:性別職務分離

 今日は宮下さおりさん(一橋大学大学院、労働社会学)に非常勤に来てもらい、性別職務分離についての講義をお願いしました。
 性別職務分離(水平的分離、垂直的分離)とはそもそもなんなのかから始まって、これまでのいくつかの説明についてのコメントがあり、研究の到達点として「性別職務分離とは職場におけるさまざまなかけひきの結果によるものである」、という仮説が提示されました。
 「家事・育児・介護に近似した職務が女性に割り当てられる」「統計的に女性は短期で退職するので、職業上の教育コストをかけないですむ労働へ割り当てられている」「女性は筋力で男性に劣るので肉体的負担に軽い職務が割り当てられる」というようないくつもの、ある意味常識的な説明は、実はそれでは説明できないよう例がたくさんある。結局これらも職場で性別職務分離が成立してくるときに動員される様々な言説の一種でしかなく、このほかに性別職務分離へ介入してくる国家の定める法や、種々の社会規範、そういったものも援用しながら、職場のアクターたちが性別職務分離をめぐってつなひきを演じた結果が、現在のそれぞれの職場における職務のわりあてだ、というまとめでいいのかな。だから常に性別職務分離には抗している必要がある、ということになるんでしょうか。
 今回の講義内容は宮下さんの専門領域になるわけですが、学生相手に話をするのはこれが初めてだとのこと。ややよくばった内容でしたが、わかりやすい明晰な話し方で、根気よく筋道をたどって聴いていた学生には、実り多い授業だったのではと思います。ありがとうございました。次もよろしく。(笑)
 遠くから非常勤にきていただいたら当然その後は飲み会で(笑)、宮下さんにとっても旧知のCさん、大学院での知り合いのAさんと一緒に、Les Fleursへ。4人なので、お手軽パーティーコース+飲み放題で。料理はオードブル盛り合わせ(オリーブ、ピクルス、パテほか)、サーモンのサラダ、お店からのサービスのフライドポテト、鴨のコンフィ、といったメニュー。お酒は自家製サングリアが好評。今日の白ワイン(グラス)はそれほどでもなかったけど、赤は地味ながら渋みと落ち着いた香りのバランスがよいものでした。
 話がはずんで、解散は23:45でした。