Vincent Saincrit 1983

 サンテミリオンの24年もの。というと高価そうだが、それほどでもない。(1万円でおつりがかなり来る。)

 1983年はそれなりの当たり年らしいが、長期熟成に耐えうるという判断があったのか、発酵と樽熟成をすませたあと、ステンレスのタンクで温度をコントロールして20年間あまり保存し、その後ボトルにつめて出荷したものがこれ。瓶詰め保存のものよりも貯蔵コストがかかっていないということなのだろう。

 熟成したワインらしいやわらかな口当たりにはいささか不似合いなぐらいな、しっかりしたベリーの香りが特徴的。アンバランス一歩手前ぐらいの感じ。これはやはりタンク貯蔵の賜物なのかも。(瓶保存だとこんなに香りは残らないのでは。)口に含むと、強い自己主張はしないものの、奥の方にしっかりしたスパイスの風味が感じられる。
 飲む前に冷蔵庫で少し温度を下げておいたのだが、もう少し冷やしてもよいかと思った。これから先の季節は飲む前の温度コントロールが難しそう。ちなみにつまみはいけちかで購入したチーズ盛り合わせ。ガーリックチーズ、クミンシード入りナチュラルチーズ、ハーブをまぶした山羊乳のチーズなど。